初めてのブログ‼︎ そして、バトンは渡された
はじめまして!これから本の感想や書評、本を通した自分のことをブログにしていきたいと思います!
至らない部分もあると思いますがよろしくお願いします。 ネタバレあり!
『そして、バトンは渡された』
とても魅力のある作品。作者を評価してなかったのだが、これは面白い。さすが2019年本屋大賞にノミネートされるだけあるな、と思う。
作品を少し説明する。
主人公、本宮優子はいたって普通の高校生なのだが、家庭環境がコロコロ変わっていて今は血の繋ってない父親、本宮さんと一緒に暮らしている。
高校2年生の進路面談から社会人として成長するまでを描いたストーリー。
第1章の優子の現在で高校生の恋愛、友情、学校行事、受験、本宮さんとの食事、血が繋がってないからこそ悩むこともある生活を生き生きと書いてある。また優子の小学生になる前の子供時代から遡るのを時々挟む。
第2章では短大に行った後、起こった出来事や本宮さんに結婚相手を紹介する。
という筋書き。
優子は友達と仲違いをするが、時間が解決すると一歩冷めてて淡々と過ごすことがすごいな、と思う。クラスの女子にも遠巻きに見られるがそれでも揺るがない。少しはダメージがあるのだが表に出さなかった。
私が高校生の時に起きたらかなり苦しむんじゃないかと思う。私が高校生だった頃、周りの評価が全てだと思ってたから。時間が解決するってあったけど、私自身が過ごす中で悩む時間を過ごさなきゃいけない未来の辛抱を考えるととても我慢できなかった。辛抱強く時間を過ごすことを受け入れるキャパがないことを自分で分かってたのかもしれない。
でも行動すると傷つくから、ずっと自分の中でうずくまってたら、状況が変わったりするんだよね。でもそれについていけなかったから時間が解決するって信じてなかった。
今も信じてるとは言い難い(すぐ行動に移すから)けど、状況が変わるのに対応できるようになった。だから私の場合、時間が解決するのをプラスすれば最強に近づくかもね。
優子の家庭環境は変化の連続でそれによって育まれた強さがある。
また優子は今までの家族全員に大事に育てられ愛されてる部分も強さに繋がってるんじゃないかと思う。
あと食べ物小説っていうのも結構あると思うけど、この小説は作った食べ物を美味しそうに描写し、かつ無理やりでなく自然にストーリーに沿って機能してるのが和む。
本宮さんのキャラクターも素晴らしい。変わってて父親らしくないけど、優子を一人前に育てようとして悩みながら、血が繋がらないながらも父親として奮闘するのがかわいい。
最初の部分で本宮さんがある日の朝食を考えたところがあるがラストの時にシンクロさせて見てもらいたい。