dyutan’s diary

色んな分野の感想、書評、本を通した自分のことをブログにしたいと思います!

『ひと』

第2回目の書評‼︎ネタバレあり!

 

『ひと』        小野寺史宜

 

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第1回目に続いてまた2019年本屋大賞ノミネート作品。厳しいこと言うようだけど本屋大賞にはならないかな、と思う。

何故かというと私の主観だけれども、心に残らなかったから。

主人公、柏木聖輔は20歳にして両親それぞれを亡くし大学を中退することに、という境遇には同情を禁じ得ないし、総菜屋で働くことになったキッカケは面白いけど、それだけだから。

 

聖輔が総菜屋で働く日々などを描いてるが、周りはいい人が多く、聖輔も好感度の高い人物。

でも聖輔の母親の親戚のいとこ、船津基志が聖輔の遺産にたかってくる。その部分は聖輔、負けるなって心底思ったし、基志の卑劣さをリアルに表現してると思う。

あと、そこまでヒロイン、井崎青葉に魅力を感じなかったのも残念。青葉の元彼と別れたキッカケも気持ちは分かるけど共感はしなかった。

 

多分作者が言いたかったことは若いのに両親を失くすなど色んなことは皆あるけど、今を生きてみて何かを諦めなくてもいいんだよ、ってことを伝えたかったんだと思う。もちろん作者が違うことを伝えたかったのに私自身が勝手に決めつけてるかもしれないが。

 

帯に人生に灯をともす、感涙の傑作!と書いてあって感動モノらしいので気になったら読んでみてもいいと思う。